赤ちゃんへの虐待①「育児放棄・ネグレクト」には注意が必要

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それは躾?それとも指導?

「躾(しつけ)です。子どものことを思ってやっていたんです。」

赤ちゃんなどに対する虐待で児童相談所が関わるようなケースで、親がこの様に説明することが度々あります。小学校などでも「体罰」があった際、ほぼ同じような「指導です。子どもの将来のことを思ってやったのです。」という説明があります。

その親や教師は、本当に子どものことを思っているのでしょうか?

厚生労働省は児童虐待の定義を下のようにまとめています。

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児童虐待の定義

現在、児童虐待は以下の4つの種類に大別さるています。

①身体的虐待

殴る、蹴る、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などにより一室に拘束する など

②性的虐待

子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る又は触らせる、ポルノグラフィの被写体にする など

③ネグレクト

家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かない など

④心理的虐待

言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう(ドメスティック・バイオレンス:DV)など

虐待は「厳しい躾」だという考えの人もいますが、「躾」の面があったとしても、方法としては避けなければならないものです。

なぜなら、虐待は様々な面で、科学的に子どものためにならないということが分かってきています。

赤ちゃんへの虐待③「負の遺産」を抱える危険性」に詳しく書いたのですが、親から虐待などを受けた子どもは、脳の中の感情処理の部分の発達が十分でなかったり、意欲などに関わる部位の脳の活動が低下したりという傾向があったそうです。

事件になるもの、ならないもの

「子どものため」と口では言っていますが、逆に子どものためにはなっていないことがほとんどです。単に親のストレスのはけ口のような感じであることが多いです。

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児童相談所に連絡があったもは、年間10万件を超えています。これは、事件になったものの総数です。

事件までならないもの(グレーなもの)も含めると数倍があると予想できます。

虐待に関しては、全ての人が気付いたら通報しなければならないとされています。虐待は密室で行われることが多いからです。

しかし、現実には、集合住宅の近隣の部屋で子どもの鳴き声や叫び声があっても全ての人が児童相談所へ通報している訳ではありません。

「もし虐待でなかったら・・・」「他人だし、面倒なことには関わりたくない・・・」などの理由からなかなか地域住民からの通報がやりにくいというのが現状です。

児童相談所への通報で最も多いのが警察だそうです。その他には学校、園(幼稚園・保育所など)からが多いそうです。

学校や園の職員は、自分たちが通告義務があることを意識しています。担任は、家庭の状況なども理解しており、虐待の発見者になることが多いです。また、養護教諭も健康診断などの際に、留意すべき子どもを意識しながら見ています。

育児放棄・ネグレクトの危険性

上の表にある厚生労働省の虐待の定義にあるものの中で注意すべきは「育児放棄・ネグレクト」です。身体的虐待ほど目立ちません。

子どもが大きな声で泣いたりすることがないので、なかなか周りが気付きにくいのが特徴です。また、子どもも自分が虐待をされているということに気付いていない場合も多いです。

定期健診や幼稚園・保育園・小学校などの職員が、子どもの様子から気付くことなどがほとんどです。身体的虐待などもとても危険なものなのですが、育児放棄・ネグレクトは死につながる可能性があるもの非常に危険なものです。

 

執筆者

鈴木 邦明(すずき くにあき)
小田原短期大学 保育学科 特任講師

小学校の教員として22年間勤め、現在は短大で健康教育を教える。
「心と体の健康」をテーマに、健康教育、幼保小連携、学級経営など幼児・児童に関する多方面な研究活動を行う傍ら、執筆や取材協力など多数手掛ける。

研究用HP
http://www.geocities.jp/ks20010630/

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