赤ちゃんの育てにくさ  もしかしたら「ギフテッド」かも?

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ギフテッドとは

ギフテッドは“知性、創造性、芸術性、学問、リーダーシップ、運動能力”のうちどれか1つでも秀でた能力を持ち合わせている子をギフテッドと呼んでいます。


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得意な分野は1つの場合も複数の場合もあり、それぞれ個人で違いが見られるのですが、どの分野で秀でていても多くのギフテッドに共通する特徴があります。

ギフテッドに共通する7つの特徴

・優れた記憶力

・物事を学ぶのが早い

・語彙が豊富でよく喋る

・完璧主義

・正義感が強い

・集中力が高い

・深い話が好き

ギフテッドの子どもが生まれる原因としては、「遺伝要素」と「環境要素」のどちらも関係しているとされています。

ギフテッドだけでなく、子どもの育ちについては、様々な研究がされていますが、「遺伝要素」と「環境要素」のどちらも大事であるというのが現在の研究の状況です。

どちらの要素が強く影響しているのかということは、現在研究が進められています。

ギフテッドの診断には、知能検査などを用いることが多いです。

しかし、知能検査だけでは分からない部分もあるので、芸術面や対人関係なども含めて、総合的に判断します。

アメリカでは、学齢期の子どもの6~10%がギフテッドの子どもだとされています。

ギフテッドの子どもは、赤ちゃん時代から特徴が表れることが多いです。

「育てにくさ」ということがよく言われることです。

ギフテッドの子どもは、それぞれの子どもで顔が違うように、特徴が違っています。

知覚や感覚などが鋭敏であることが「育てにくさ」につながっているようです。

その知覚や感覚の鋭敏さがその子どもの良さであるのですが、それと普通に生活していくということがぶつかってしまうことがあります。

特に乳児や幼児は、まだ生活経験が少なく、自分の感覚を頼りに行動をします。それが親からすると「育てにくい」と感じられてしまうのだと思います。

ギフテッドの子どもは、発達障害(特にアスペルガー症候群)と医師に診断されることがあります。ギフトッドとアスペルガーには性格や行動に似た部分があります。

こだわりが強かったり、対人コミュニケーションが苦手だったりということです。アスペルガーの子どもは、脳の機能障害だとされており、対人関係や社会性などが苦手です。

そして、ある特定の分野にこだわりを持つ子どもが多いとされています。ギフテッドの子どもは、自分の能力の強みがあり、そのことによってこだわりを強めていくというイメージです。

ギフテッドの子どもは「自分の能力の強み」が先にあり、それを追求しようとする中でこだわりが強くなっていくという感じです。

日本においては、ギフテッドの子どもは苦労することが多いように思います。

アメリカの場合は、学校のシステムの中にギフテッドの子どもをさらに伸ばしていくようなプログラムが出来ています。

そういった子どもを集めたクラスや学校があります。その子どもの能力に合わせて、飛び級なども行われていきます。教育システムとしてギフテッドの子どもを伸ばす仕組みが出来ています。

日本の教育システムは、「個」よりも「集団」を重視するものでした。この仕組みは、明治5年の学制によって始まった学校システムの中で作られたものです。

明治期の殖産興業や昭和30年代、40年代の高度経済成長期においては非常に良く機能していました。「均質の物を大量に作る」為の労働者を育てる教育と言って良いと思います。

そういった日本旧来の教育システムから少しはみ出した存在がギフテッドの子どもなのだと思います。

そういった子どもは、昔から存在していました。しかし、「ちょっと変わった人」みたいな扱いを受けていたのだと思います。

この所、アメリカを中心にギフテッドについての見方が変わってきたことによって、日本でも話題になり出しています。

ギフテッドの子どもをフォローするプログラム

近年、日本の国内においてもギフテッドの子どもをフォローするプログラムが作られています。2014年から東京大学で「異才発掘プロジェクトROCKET」というものがスタートしています。

日本財団と東京大学先端科学技術研究センター(以下、先端研)は、異才を発掘し、継続的なサポートを提供することで、将来の日本をリードしイノベーションをもたらす人材を養成することを目指し、2014年12月に「異才発掘プロジェクト ROCKET(Room Of Children with Kokorozashi and Extraordinary Talents)」を始動しました。

異才発掘プロジェクトとは

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本プロジェクトは、突出した能力はあるが、現状の教育環境に馴染めず不登校傾向にある小・中学生を選抜し、継続的な学習保障及び生活のサポートを提供するものです。

書類選考と面接で選ばれた「スカラー候補生」には、興味関心や特性に応じたプログラムを提供します。

そのプログラムの中で、自分の学びをさらに加速させ、顕著に“突き抜け感”が出てきたと事務局が判断したスカラー候補生のみ、「ROCKETスカラー」に移行します。

スカラー候補生には、科学技術や芸術、スポーツ界など様々な分野で活躍するトップランナーによる講義やディスカッション、プロジェクトベースドラーニング(PBL)と呼ばれる料理や工作など身近なものを題材にした実践型の教育プログラムを提供しているほか、一人ひとりの興味に応じて、インターネットを利用した個別指導も行っています。

また、ネットワークの発達によって、日本に居ながらにしてアメリカなどの専門教育を受けることもできます。

スタンフォード大学では「GIFTED AND TALENTED」というプログラムを実施しています。「出る杭を伸ばす」ような教育です。

このプログラムは特に数学(Mathematics)が充実しており、言葉の壁を感じることが少ない形で取り組むことができます。

スタンフォード大学以外にも、ギフテッド向け専用プログラムではないですが、様々な専門教育がネットワーク上で受けられる状況になっています。

MIT(マサチューセッツ工科大学)では、全世界の学生向けに様々なレベルの講座をネットワーク上で開講しています。

そういった中で優秀な成績を収めた学生を学費免除で大学への入学を許可することもあるそうです。そういったものは「mooc(ムーク)」と言われ、近年増々盛んになってきています。

「mooc」に関しては、日本でもネットワーク環境が整ってきたことなどもあり、非常に増えています。先程も話題にした東京大学はいくつもの授業をネット上で公開しています。

また、様々な大学や研究機関が、子どもが受けることのできる講座を用意しています。学校の授業で満足できない場合などは、そういったものを利用すると子どもの興味関心を引き出すことが出来る場合があります。

ギフテッドの子どもを育てていく上で注意すること

ギフテッドの子どもを実際に育てていく際に注意することがいくつかあります。それは「良い部分を伸ばし、苦手な部分を目立たないようにする」というものです。

どうしても、学校教育などにおいては、出来ていない部分をできるようにすることに力を入れます。ギフテッドの子どもが理数系に非常に強みを持っていたとしても、漢字がちゃんと書けないから、何度も漢字の練習をさせるというようなものです。

そうしていくうちに勉強自体、学校自体が嫌になっていってしまい、持っている才能を発揮できないという状況になってしまうことがあります。

日本においては、そういった例がたくさんあるのだと思います。今の例の場合では、漢字が苦手であれば、電子辞書を携帯するなどの手立てで、弱い部分をフォローし、その子の良さである理数系の力をさらに伸ばすことができるように取り組んでいくのです。

日常生活の中で苦手な部分が目立ちにくいようにする感じです。その際に大事になるのが学校の先生との関わりです。

親が先生との関係を良好に保ち、できるだけ状況を理解してもらえるようにすることで子どもが過ごす学校の環境が随分と変わります。

日本は、アメリカと比べ、社会を変えていくような天才と呼ばれるような人の出現は少ないです。これは明らかに教育システムや子育てにおける考え方の問題だと思います。

今後、日本でも今以上にギフテッドについての理解が進み、存分に自分の能力を発揮できる子どもが増えてくることを願います。

そして、そういった人達の活躍で、世の中がより良いものになっていくことを切に願います。

 

 

執筆者

鈴木 邦明(すずき くにあき)
小田原短期大学 保育学科 特任講師

 

小学校の教員として22年間勤め、現在は短大で健康教育を教える。

「心と体の健康」をテーマに、健康教育、幼保小連携、学級経営など幼児・児童に関する多方面な研究活動を行う傍ら、執筆や取材協力など多数手掛ける。

研究用HP

http://www.geocities.jp/ks20010630/

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